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アルミの種類と特徴のまとめ

アルミの種類によって変わる性質や加工方法や特徴を解説

こんにちは、アートウインズです。
今回はマシン加工に良く使われる「アルミ」についての記事になります。
アルミといっても1000番台や2000番台などの種類があり、
その種類には国際アルミ合金名としてそれぞれが種類別に4桁の番号を用いて区別されています。
上記の事をもう少し噛み砕いて説明すると、合金として加えられた成分量によって4桁の番号で振り分けられているといったイメージです。

それでは、日本に良く流通しているアルミの種類番号を厳選して「種類名・性質・特徴・加工性」の4つを解説してみようと思います。

1A1050

性質

1000番台の中でも切削加工に良く使用される型式。
アルミ純度が99.5%以上と定められており、いわゆる「純アルミ」と言われている

特徴

純アルミはアルミ合金に比べると強度は劣ります。
加工性・耐食性・電気伝導性・熱伝に優れており、その他にも赤外線の反射も良好だそうです。

加工性
純アルミということもあり、機械加工で良く使用される材質の中では最も粘っこい材質になっています。
その粘っこさが嫌な癖を出し、アルミ合金より加工中に熱を持ちやすく、
熱を持つと削れずにアルミが溶けてエンドミル(加工工具)にくっついてしまい、エンドミルの役目が果たせず加工ができなくなります。
あまり切れていない刃物で削るのもNGなので、刃物の切れ味や切削条件には注意しなければいけません。

2A2017

性質

2000番台の一種で熱処理系高強度アルミ合金。
ケースなどでも有名な「ジュラルミン」と言われている材料に属します。
Al-Cu系のアルミ合金。

特徴

「ジュラルミン」と言われているだけあって、アルミの中でも強度が強いアルミ合金になっています。
耐食性や溶融溶接性が他のアルミ合金より劣っており、溶接割れ感受性が高いので溶接に適していません。
板厚サイズも豊富で比較的入手しやすい材料になっています。
主に航空機やロケットのパーツ・機械部品などに使用されています。

加工性

切削加工性は良く強度もある為、サクサクしたようなイメージで削やすい材質です。
しかし強度がある分反りやすく、肉抜きなどを行うと材料が歪みやすいです。
その他にも強度があるので変形しやすい割に、一度変形すると人力では変形させにくいのがデメリットになります。

3A2024

性質

2000番台の一種で熱処理系高強度アルミ合金。
「超ジュラルミン」と言われている材料に属します。Al-Cu系のアルミ合金。

特徴

「超ジュラルミン」と言われているだけあって、A2017のジュラルミンよりさらに強い強度を持っています。
ジュラルミンと同様にアルミの中でも強度が強いアルミ合金になっていて、耐摩耗性に優れています。
耐食性や溶融溶接性が劣り、溶接割れ感受性が高いので溶接に適していません。
A2024も主に航空機やロケットのパーツなどに使用されています。

加工性

切削加工性は良く強度もジュラルミンより更に上がります。
A2017同様にサクサクしたようなイメージで削やすい材質です。
強度がある分反りやすく、肉抜きなどを行うと材料が歪みやすいです。
強度が更に高くなっている為、アルミ合金の中でも加工条件がシビアになります。

4A5052(A5056)

性質

5000番台の一種で強度・耐食性・耐海水性・切削加工性・溶接性に優れている。
アルミ合金の中では中程度の強度。Al-Mg系のアルミ合金。

特徴

日本市場では最も流通しているアルミ合金で価格も安価で板厚サイズも豊富。
非磁性で疲労強度が高く、低温に強い。
板厚素材の表面処理性が良い為、板厚を削らなくてもそのまま採用される事が多い。
溶接性に優れている方ではあるが、あくまでもアルミなのでそこまで良くない。
Mg(マグネシウム)を含んでいる為、多少の振動吸収性もある。
車関係・カメラ・パソコン・ロボット・その他家電など、A5052を採用している製品も豊富。

加工性

強度は硬すぎず、柔らかすぎずで非常にバランスが良い為、曲げ加工・切削加工共に向いている材料。
もちろん癖も少なく、工具のヘタリや加工後の歪みも少なく、取り扱いしやすい。
その為、製品パーツの一部に採用されることも多い。

補足

類似品として、丸棒で製造されている「A5056」という物があり、旋削加工の仕上がりが良く、
アルマイト性も良いので外観部品として採用される事が多い材質として存在しています。

5A6061(A6063)

性質

6000番台の一種で耐食性と強度の高さ、表面処理性に優れている。
Al-Mg-Si系のアルミ合金。

特徴

A5052と同様にMgが含まれている事により耐食性が良く、T6処理によってジュラルミンに次ぐ程の強度を高める事ができるので、
A5052の上位互換として主に建材物や車両・船舶などの屋外に設置される部品として採用されています。
しかしT6処理を行わないと強度は低く、A5052よりも劣ってしまい、
強度を上げる為にT6処理をしたとしてもその分の処理代がかかり加工コストが増加します。
アルミの中では溶接性は優れている方である。日本市場には板厚サイズも含め、多く流通している。

加工性

T6処理により強度が上がるといってもジュラルミンよりは劣る程度なので切削性も良く歪みにくく非常に削りやすい材質です。
切削面は比較的綺麗に見えやすく、加工後はつるつるして光っています。

補足

①類似品として、押し出し材で製造されている「A6063」という物があり、
A6061より強度自体は劣るものの耐食性と表面処理性は同等に優れています。
ただし押し出し材の為、パイプやアングル・角棒(フラットバー)などの規格しかありません。

ADC12と成分が似ていることもあり、ADC12の代替え品として利用されるケースもある。
ケースとしてはADC12の入手が困難な場合や、アルマイトに不向きなADC12に代わり、A6061にアルマイトをかけるなど。

6A7075

性質

7000番台の一種で高強度材であり、アルミ合金の中で最高クラスで強い強度を持っている。
A2024に引き続き「超々ジュラルミン」と呼ばれている。Al-Zn-Mg系のアルミ合金。

特徴

アルミ合金の中でも最高クラスの硬度と強度を持ち合わせており、鋼やステンレスに比べて三分の一程度の軽さ。
その信頼性が高い為、航空機・人工衛星・ロケット・車両などのパーツに採用されている。
しかしアルミ合金の中でも2倍程高価になる為、パーツの要所要所で採用されている事が多い。

加工性

その最高クラスの硬度と強度は鋼材並に値するものの、あくまでもアルミなので切削スピードは鋼材に比べると段違いにスピーディーです。
ただし切削ミスをすると鋼材並の硬さが故、切削工具が折れやすいので普段のアルミ合金の加工よりも慎重に取り掛かる必要があります。
他のジュラルミン同様に歪みやすいデメリットもあるのでそういった点にも注意が必要であります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回はアルミの種類や特徴、加工の際の特徴や注意点を簡単にですがまとめてみました。
改めて見ると忘れていたり案外知らなかったこともあったのではないでしょうか?
今回この記事を閲覧していただいた方々に少しでも知識の足しになり、役立てて頂ければ幸いです。
これからもこう言った役立つ情報を発信していこうかと思います。
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