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「簡易金型」でスピード製作が可能に?

「簡易金型」でスピード製作が可能に?

試作品製作において、多くの方が気になるのが完成までのスピード感ではないでしょうか。競合他社の一歩先を行き新製品を世に送り出すには、試作品を短納期で受け取り、製品の改善点や不備などを早めに見出すことが重要です。そこで今回は、試作品のスピード製作を可能にする方法のひとつとして「簡易金型」を紹介します。

簡易金型って普通の金型と違うの?

「簡易金型」でスピード製作が可能に?

金型とは、製品を作るために必要な金属の型全般を指します。通常、製品製作には鋼材で作られた金型を使用します。これは「本型」と呼ばれ、数十万~数百万単位での大量生産に用いられます。本型を作成するには時間とコストがかなりかかるので、同じものを大量生産する場合でないと、本型の作成費用を捻出できないことがほとんどです。

そのため、製造数が10~100個程度の場合、「注型加工」という製法を用います。これは、マスターモデルをシリコン型で型取りし、ウレタン樹脂などを流して成形する製法です。製造数がそれより多い500~1000個程度の場合には、「簡易金型」での製法が採用されます。

簡易金型は試作や小ロット生産を前提に作られたプレス用金型で、アルミなど安価で削りやすい素材を用います。また、簡易金型を使用する際は、金型の外周部を構成する「モールドベース」という部品に既存のものを使用するため、時間とコストをかけずに製作を進められるという特徴もあります。

簡易金型のメリット・デメリットを知ろう

「簡易金型」でスピード製作が可能に?

簡易金型は金型アルミを使用しているので、低コストで製作できます。簡易金型の製作にかかる費用は納期や形などによってさまざまですが、金型に比べて2~3割程度安くなるのがほとんどです。また、加工にかかる時間が少ないうえ、既存のモールドベースを使用するので急な納期に対応できるのも大きな魅力と言えます。

一方、簡易金型は素材が本型と異なるため、最大ショット数が数十万~数百万単位で生産できる本型に比べて非常に少ないというデメリットもあります。また、簡易金型は既存のモールドベースに入れて使うカセット式であるため、製作できるサイズに上限があります。そのため、簡易金型を用いる際は自社製品の試作品を簡易金型で製作できるかどうか、生産量やサイズを把握したうえで業者に相談することをおすすめします。

精密板金加工で用いられることも

「精密板金加工」とは厚さ0.1mm~3mm程度の薄い金属板を加工する方法です。寸法公差(図面の寸法に対して許容される誤差の範囲)は0.1mmや0.2mmのレベルとされているので、精度の高い試作品製作の現場で頻繁に用いられています。

精密板金加工には、本型ではなく簡易金型が使用されている点が特徴。これにより、イニシャルコストを抑えた製作が可能になるのです。このように簡易金型は、試作品の精度を保つためにも必要不可欠なツールと言えるでしょう。

簡易金型を用いた製作ならアートウインズへ

簡易金型を用いることで、試作品を低コスト・短納期で製作することが可能です。しかし、簡易金型を用いた製作には、高い技術も求められます。迅速・丁寧な試作品製作なら、熟練社員が揃うアートウインズにお任せください。